チェーンの基礎知識

チェーンの基礎知識

  • チェーンの基礎
  • チェーンサイズ
  • D.I.Dチェーンの特徴
  • D.I.Dの品番
  • ジョイントの種類
  • トラブルシューティング

ドライブチェーンの構造

ピン

ピン

ピンは内・外プレートと共にチェーンに掛かる全荷重を支え、せん断や曲げ、衝突等に耐える強度部材で、リンク屈曲の軸として働きます。

ブシュ

ブシュ

ブシュは、ピンを支える軸受けとして働きます。

ローラー

ローラー

ローラーはスプロケットとの噛合いによる衝撃を吸収し、ブシュやピンを割れや、異常磨耗から保護します。

内・外プレート

内・外プレート

内・外プレートは、ピンと共に荷重を支える強度部材です。

シールリング

シールリング

シールリングは、ピンとブシュの間に封入されたグリスを保持し、ピンの磨耗伸びを防ぎます。

グリス

グリス

グリスは、ピン・ブシュ間を潤滑し、磨耗抵抗を下げ、摩擦を防ぎます。

ジョイントリング

ジョイントリング

チェーンに求められる性能・専門用語

引張り強さ

引張り強さとは

チェーンが破断するまで引張った時の荷重の大きさに対する強さのことで、発進時の大トルクを受止める時に必要な強さです。

疲れ強さ

疲れ強さとは

ワインディング、高速走行などで繰り返しかかる負荷に対し疲労破壊しない強さ(荷重)のこと。

耐摩耗(伸び)性能

耐摩耗(伸び)性能

チェーンはピン・ブシュの潤滑が切れた状態では金属磨耗が進行し、伸びが発生します。チェーンが伸びるとスプロケットと上手くかみ合わなくなり、歯飛びや最悪の場合チェーン折損等の原因となります。

チェーンサイズとは

チェーンは英国で発明されその後アメリカで発展しました、その結果サイズ表記にはインチが基準として用いられています。日本では第一次世界大戦中に自転車の輸入が難しくなった為に自国で製造を開始したのが始まりと言われており、歴史的には比較的新しい物と言えるでしょう。しかしその後の技術の発展により、自転車チェーンを始め、バイク用、産業機械用や車のエンジン用など様々な用途に使用されています。

チェーンサイズ

チェーンサイズ

Standard Size

Standard Size

チェーンサイズ チェーンピッチ(P) 内リンク内幅(W) ローラー外径(D) ピン長さ(F) プレート板厚(T)
425 12.7mm
(4/8インチ)
4.76mm 7.77mm 13.50mm 1.5mm
420 6.35mm 7.77mm 14.75〜16.60mm 1.5〜1.8mm
428 7.94mm 8.50mm 16.70〜22.70mm 1.5〜2.2mm
520 15.875mm
(5/8インチ)
6.35mm 10.16〜10.22mm 17.50〜21.00mm 1.8〜2.2mm
525 7.93mm 10.16〜10.22mm 19.25〜22.95mm 2.0〜2.4mm
50(530) 9.53mm 10.16〜10.32mm 20.85〜25.30mm 2.0〜2.6mm
532 11.10mm 24.80mm 2.4mm
630 19.05mm
(6/8インチ)
11.96mm 25.30mm 2.4mm

シールチェーンについて

シールチェーン

Xリングチェーンの基本構造

D.I.D特許のX-リングは、4箇所のシールポイントでグリス抜けを防止、その結果O-リングに比べて、約50%の低フリクションを実現しています。(当社比)

X-Ringの機能

X-Ringの機能

抵抗減と長寿命の両立

シールをつぶすことなく、ねじれによってグリス抜けを防止

フリクションロス

フリクションロス

O-リングを100とした指数

耐磨耗(伸び)性能

耐磨耗(伸び)性能

O-Ring

O-Ring

フリクションロス

フリクションロス

O-リングを100とした指数

鍛造ブシュと特殊ピンについて

鍛造ブシュについて

DID製品に使用されているソリッドブシュは継ぎ目の無い滑らかな表面と優れた真円度を有する剛性の高いブシュです。ピン・ブシュ間の最適な軸受面の形成により、グリスの保持力を改善しております。D.I.Dが独自開発した特殊グリスとの相乗効果により、スタンダードチェーンに比べ磨耗寿命が1.2~4倍という画期的な性能向上を実現しました。

冷間鍛造ソリッドブシュ

ソリッドブシュ

ソリッドブシュ

高コスト、強度が高く、長寿命。

巻きブシュ

巻きブシュ

低コスト、強度が低く寿命も短い。

特殊ピン加工について

SDH(スーパーダイハード)

SDH(スーパーダイハード)とは?

SDHはピンの表面に非常に硬い皮膜を形成したものです。この皮膜は、図で示す通り内部に更に超硬度の炭水化物を分散。そのため、解体異粒子の混入といった過酷な条件でも高い耐摩耗性を発揮、更に耐酸化性にも優れています。


D.I.Dの品番

Type in Indication

520ERT2の119リンクとRJジョイント1個を同梱の場合

520ERT2の119リンクとRJジョイント1個を同梱の場合

520NZの119リンクとFJジョイント1個を同梱の場合

520NZの119リンクとFJジョイント1個を同梱の場合

520ZVM2の119リンクとZJジョイント1個を同梱の場合

520ZVM2の119リンクとZJジョイント1個を同梱の場合

チェーンジョイントの種類

D.I.Dジョイントの名称

D.I.Dジョイントの名称:RJ

D.I.Dジョイントの名称:FJ

D.I.Dジョイントの名称:ZJ

D.I.Dジョイントの名称:LE

トラブルシューティング

ピン・ブシュ・ローラーの破壊

原因1. 不適当な潤滑

不適当な潤滑

対策:定期的(約500Km走行毎)に注油してください。

原因2. チェーンの腐食

チェーンの腐食

対策:注油状態、使用環境を確認し、腐食が見られたら新品のチェーンに交換してください。

原因3. スプロケットの摩耗

スプロケットの摩耗

対策:新品のスプロケットに交換してください。

原因4. 異物の噛み込み

異物の噛み込み

対策:そのままの走行は危険です、速やかに異物を取り除いてください。

チェーンがスプロケットを乗り越える

原因5. 過大な磨耗伸び

過大な磨耗伸び

対策:過大な磨耗伸びを起こしたチェーンは新品に交換してください。チェーンはプレートそのものが伸びる訳では有りません、チェーンはピンとブシュの磨耗により隙間が大きくなります。1コマの磨耗による隙間はわずかでも、チェーン全体(例えば100リンク)では大きな伸びになります。

原因6. チェーンのたるみ過ぎ

チェーンのたるみ過ぎ

チェーンのたるみ対策:チェーンのたるみは常に留意してください。車両整備書に従い、正しい手順でチェーンのたるみ量を調整してください。一般的なたるみ量は乗車状態で20~25mmです。

原因7. スプロケットの磨耗、または歯底に異物の堆積

スプロケットの磨耗、または歯底に異物の堆積

対策:磨耗したスプロケットは新品に交換し、歯底の異物は除去してください。

チェーンから振動がする

原因8. チェーンのたるみ過ぎ

チェーンのたるみ過ぎ

チェーンのたるみ対策:チェーンのたるみは常に留意してください。車両整備書に従い、正しい手順でチェーンのたるみ量を調整してください。一般的なたるみ量は乗車状態で20~25mmです。

原因9. チェーンの不均一な磨耗伸び(偏伸び)

チェーンの不均一な磨耗伸び(偏伸び)

対策:不完全、不均一な注油は偏伸びの原因となります。均一な注油をしてください。


原因10. チェーンの硬直

対策:チェーンに硬直が発生しないよう、適正な注油ををしてください。硬直したチェーンは新品に交換してください。

チェーンから異音が聞こえる

原因11. スプロケットの芯出し不良

スプロケットの芯出し不良

対策:ドライブスプロケットおよびドリブンスプロケットが整列していないとチェーンプレートの内側が異常な磨耗を起こし、チェーンの寿命を縮めてしまいます。車両のチェーンアジャスターにある目盛りを確認しながら、スプロケットが整列するように調節してください。

原因12. チェーンの貼り過ぎ・たるみ過ぎ

チェーンのたるみ過ぎ

チェーンのたるみ対策:チェーンのたるみは常に留意してください。車両整備書に従い、正しい手順でチェーンのたるみ量を調整してください。一般的なたるみ量は乗車状態で20~25mmです。


原因13. チェーン若しくはスプロケットの過大な磨耗

チェーン若しくはスプロケットの過大な磨耗

対策:許容範囲を超えて伸びたチェーンや磨耗したスプロケットは新品に交換してください。

原因14. 不適当な潤滑

不適当な潤滑

対策:定期的(約500Km走行毎)に注油してください。


原因15. チェーンとスプロケットの不適切な組み合わせ

チェーンとスプロケットの不適切な組み合わせ

対策:チェーン交換時はチェーンとスプロケットのサイズを必ず合わせてください。

チェーンの硬直

原因16. チェーンの許容範囲を超える負荷

チェーンの許容範囲を超える負荷

対策:チェーン交換時はチェーンとスプロケットのサイズを必ず合わせてください。マシンの適合に合ったチェーンを使用してください。

原因17. スプロケットの芯出し不良

スプロケットの芯出し不良

対策:ドライブスプロケットおよびドリブンスプロケットが整列していないとチェーンプレートの内側が異常な磨耗を起こし、チェーンの寿命を縮めてしまいます。車両のチェーンアジャスターにある目盛りを確認しながら、スプロケットが整列するように調節してください。


原因18. チェーンの腐食・不適当な潤滑

不適当な潤滑

対策:定期的(約500Km走行毎)に注油してください。

原因19. チェーンと異物の干渉

チェーンと異物の干渉

対策:走行中にチェーンが異物と干渉するとチェーンのプレートが開いて変形する恐れがあります。速やかに異物を取り除いてください。


原因20. チェーン屈曲部への異物の進入

チェーン屈曲部への異物の進入

対策:砂や泥がチェーン屈曲部に著しく進入した場合はDIDチェーンクリーナーで洗浄後DIDチェーンルーブを注油してから再使用するか新品のチェーンに交換してください。

ピンの回転

原因21. 過大な張力・スプロケット乗り越え・腐食および不適当な潤滑

対策:過大な張力が掛かった場合は前ページの原因16を参照してください。チェーンがスプロケットを乗り越えた場合は前ページの原因5、6を参照してください。腐食および潤滑が不適当な場合は前ページの原因1、2、3を参照してください。

チェーンの破断

原因22. 疲労破壊

疲労破壊

対策:チェーンの最大許容量を超える負荷が掛かる状況で長時間使用するとやがてチェーンは疲労により破壊します。疲労破壊するまでの寿命が規定寿命に対して短い場合は、DIDチェーン選定表と車両の整備書を参照して最大許容張力の更に大きいチェーンに交換してください。

原因23. プレートの延性破壊・ピンのせん断、または曲げ破壊

プレートの延性破壊・ピンのせん断、または曲げ破壊

対策:チェーンの許容張力を大きく超える負荷や衝撃荷重が掛かる場合にチェーンのプレートが伸びて延性破壊したりピンがせん断や曲げ破壊します。チェーンのサイズが不適当であるか、許容張力値が小さい為に起こる破壊なのでDIDチェーン選定表と車両の整備書を参照し、適正なチェーンに交換してください。

原因24. チェーンがスプロケットを乗り越える場合

チェーンがスプロケットを乗り越える場合

対策:チェーンがスプロケットを乗り越える症状が出る場合の多くが磨耗伸びによるものです。原因5、6、7を参照してください。

原因25. 水素脆性破壊

水素脆性破壊

対策:バッテリー液などの酸性の液体がチェーンに付着すると、突発的な水素脆性破壊が起こりますので、速やかにチェーンを交換してください。

原因26. チェーンと異物の干渉による場合

チェーンと異物の干渉による場合

対策:走行中にチェーンが異物と干渉したり、噛み込むとチェーンに余分な負荷が掛かり、寿命を縮めたり、突然に破断する事があります。チェーンの使用環境に十分注意すると共に、異物は速やかに取り除いてください。

プレートおよびスプロケット側面の磨耗

原因27. スプロケットの芯出し不良

スプロケットの芯出し不良

対策:ドライブスプロケットおよびドリブンスプロケットが整列していないとチェーンプレートの内側が異常な磨耗を起こし、チェーンの寿命を縮めてしまいます。車両のチェーンアジャスターにある目盛りを確認しながら、スプロケットが整列するように調節してください。